講演会・イベント情報 Feed

2010年6月25日 (金)

「楽で見落としのない 経鼻内視鏡検査をめざして」

平成22年6月24日 19:00から さくらクリニック 院長 佐竹真一先生による経鼻内視鏡検査のお話をして頂きました。

従来の経口内視鏡検査に比較し、多くのメリットがあります。

1.苦痛が少ない。

2.会話が出来る。

3.嘔吐反射が起きにくい。

4.麻酔事故のリスクが少ない。

5.検査後速やかに日常に戻れる。

佐竹先生自らが患者になった、具体的な体験談をお話していただきました。

そのほかにも、色々な症例、解析手法を説明いただきました。

最近の装置は優れた分光内視鏡画像処理技術が組み込まれ、主なものにFICE(Flexible spectral Imaging Color Enhancement)やNBI(Narrow Band Imaging)があります。

これらの手法を巧く使い観察結果から病状を明確に表示できるようにし、症状の見落としを無くすようにされています。

つまり、患者様にとって苦痛が少ない経鼻内視鏡を使い、胃の中を様々な方法を用いて観察することによって、従来の内視鏡以上に見落としのない検査を行うことが可能になりました。

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2010年6月22日 (火)

循環器救急疾患勉強会開催

岐阜市などの救急隊員や消防隊員、防災ヘリ隊員の方を対象とした急性心筋梗塞の救急対応をテーマに岐阜ハートセンターハートホールで勉強会を開催致しました。

講演開始時間前には多くの隊員の方が集まり、実際の治療器具を使ったカテーテル治療のデモの見学をして頂いて理解を深めて頂きました。その後、当院の松尾医師による「急性心筋梗塞 発症からカテーテル室まで  急性心筋梗塞の病態・治療」と題し、AMIについて病態から初期症状・重症合併症などについて講演を行いました。

続いて、事務長 稲田が「間一髪 救急隊の好判断でで救命できた症例」と題し、当院に救急搬送された方々にどのような救急救命の努力が行われ、救急隊と病院との連携で、救命が出来たか、多くの事例の説明を行いました。

隊員の方からも質問が有り、多くの意見交換が出来、非常に有意義な勉強会でした。

今後も救急隊との意見交換会を予定しています。

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2010年5月17日 (月)

市民公開講座  H22.5.7 於:県民ふれあい会館

平成22年5月7日(金) 岐阜県県民ふれあい会館にて市民公開講座が開催されました。

講演1は

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岐阜ハートセンター心臓血管外科部長 富田伸司医師が「サイレントキラーとは?」と題し、大動脈瘤のおはなし.。そのエッセンスは

大動脈瘤は無症状がほとんどで予兆がなく突然発症するのでサイレントキラーと呼ばれます。

原因としては

・高血圧 ・高脂血症 ・たばこ ・糖尿病 ・肥満(メタボリック症候群) ・ストレス ・家族歴

が考えられます。

大動脈瘤を見つけるためには、

・超音波検査 ・腹部CT検査があげられます。

破裂した場合の生還率は25%程度です。

大動脈瘤の発生・破裂を未然に防ぐには、危険因子をコントロールするとともに、もし、見つかった場合には、専門医と相談し、経過観察、治療など、治療計画をすみやかに立てることが重要です。

特に、温度変化が激しい時には、血圧が上昇しないように、注意しましょう。

講演2は

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岐阜ハートセンターの循環器内科部長 土屋邦彦医師が「心房細動について」と題し、心房細動について、説明しました。

心房細動は脳梗塞の原因になる。長島監督やオシム監督が心房細動が起因し、脳梗塞になった。この心房細動とは何かを、詳しく説明され、脳梗塞の予防を説明されました。

心房細動は不規則な心室興奮が起因します

①発作性心房細動  ②持続性心房細動  ③永続性慢性心房細動

心房細動の原因と成る要因は

①高血圧、甲状腺疾病、弁膜症、加齢

②飲酒、喫煙、入浴、運動、睡眠不測、過度の緊張、ストレス、発熱も原因になります。

心房細動の症状は

①脈の不整に伴う動悸  ②体動時の息切れ  ③血圧低下によるめまい、失神

などがあげられます。

心房細動の治療法は

①薬物療法 ・リズムコントロール

        ・レートコントロール

②カテーテルアブレーション

まとめとして

①心房細動は心不全や脳梗塞を発症する危険性があり、一見、怖い不整脈だが、適切な抗凝固療法や内服治療でその発症を予防することが出来ます。

②心房細動発生予防には高血圧治療を早期から厳格に行う必要がある。心房が変性、拡大してしまうと再発性で薬物治療抵抗性となりやすいです。

③近年、心房細動の根治的な治療として肺静脈隔離術が施工されるようになり、特に若年者の発作性心房細動については90%程度の有効性があるため徐々に普及しつつあります。

④今後は薬物療法と非薬物療法のバランスを十分に考慮し、個々の患者さんの状況に応じたテーラーメイド治療が主流になると考えられます。

脳梗塞の中でも危険性が高いのは心原性脳塞栓症です。

この心原性脳塞栓症のメカニズムは、心房収縮が低下した結果、左心房内の血液が固まり(血栓)、心房壁に付着した血栓が脳に飛散して発症します。

心房細動と思われたときは、早めに専門医の診察を受けてください。

2010年4月26日 (月)

第1回アテローム血栓症セミナー「アテローム血栓症概念(ATIS)と抗血小板療法」

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2010年4月16日 (金)

市民公開講座  H22.5.7 於:県民ふれあい会館

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平成22年5月7日(金) 14:45~16:20 岐阜県県民ふれあい会館で市民公開講座が開催されます。

それに先立ち、サマランカホールでは 今村初子先生によるコンサート「パイプオルガンの調べ」の演奏があります。

市民公開講座は3F 大会議室302にて開催されます。

講演1は岐阜ハートセンターの富田伸司先生が「サイレントキラーとは?---大動脈瘤のおはなし---

講演2は同じく岐阜ハートセンターの土屋邦彦先生が「心房細動について」

お話をされます。

いずれも、やさしく、わかりやすく説明されますので、この機会を逃さずに是非ご参加下さい。

2010年4月 8日 (木)

ハート講演会 「心血管合併症阻止を目指した2型糖尿病のリスク管理」

糖尿病で血管がぼろぼろになるメカニズムをご存知ですか?

糖尿病は放って置くと、血管が物理的にダメージを受け、いろんな障害が起こります。どういうメカニズムでしょうか?

今回の久留米大学医学部教授 山岸昌一先生のお話は、体中の血管がボロボロになってしまう血管合併症を阻止する(リスクを少しでも下げるために)マネジメントについて、お話をうかがうことができました。

血管合併症を阻止するための管理項目は

①血糖 ②血圧 ③脂質 ④血小板

今回は、この内の血糖管理を中心に、お話していただきました。

特にお話の中で興味を持ったのは、”AGEs”です。

過去17年半の長い期間、患者様をフォローアップした結果、糖尿病のプロセスはゆっくり進んでいるので長期間で効果を見ていく必要があることがわかり、その中で、初期血糖コントロールの遺産的効果(コントロールすればよい結果の蓄積)があることがわかった。

コントロールしなければ、血管障害性の強い、AGEs(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)の遺産的効果(蓄積)がある。

糖尿病になると高血糖の状態が持続し、生体内のタンパク質が糖化され易くなる。初期に反応生成物として。、HbA1cが生成される。更に進んで後期になるとAGEsが生成され、蓄積する。一般的にはこれは、血管障害性の強い物質で身体から抜けきらず、体内に蓄積していく。

このAGEsとは、酵素によらず糖と蛋白が有ると修飾され、タンパク質の上に毒性の高い糖化産物がイボのようにくっついて、このイボを認識するマクロファージの血管の受容体が存在して血管をボロボロにするような、いわば、老化糖化蛋白で有る。

今後、このAGEsをターゲットにして減少させていければ、糖尿病を治すことができると期待している。

AGEsが出来る課程を別の表現で説明すると、過剰な糖は血管の壁を形成するコラーゲンに付着、付着した糖の中にはアマドリ化合物と呼ばれるものに変性する物が有り、これが糖と結合しAGEsを生成する。こうして出来たAGEsが血管の壁であるコラーゲンをくっつけ弾力性を失わせ血管の硬化や詰まりが起こり切れ易くなってしまう。

この蓄積されるAGEsの発生を抑制したり、取り除くための研究が大学病院等で進められている。

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AGEsについて詳しく説明される、

久留米大学医学部糖尿病性血管合併症病態治療学 教授 山岸 昌一先生

2010年2月12日 (金)

第2回 岐阜ハートカンファランス こども循環器クリニック・くの小児科 院長 久野保夫 先生 & 当院 土屋邦彦 先生

第2回 岐阜ハートカンファランスが平成22年2月10日 病診連携の一環として、岐阜ハートセンターで開催されました。近隣の病院、診療所の10名の先生方をはじめといたしまして、当院の医師、看護師、コメディカルも多数参加し、有意義な時間を持つことができました。

今回は、ミニレクチャーとして岐阜ハートセンター 循環器内科部長 土屋邦彦 先生に「心房細動のアブレーション」と題しまして講演していただきました。

発作性心房細動は心電図上で短い連結器の心房性期外収縮により開始する。この心房性期外収縮の約90%は肺動脈由来であることから、左心房と肺静脈を電気的に隔離することで治療可能。治療時間は4時間程度。

慢性、持続性心房細動は単純な肺静脈隔離だけでなく左心房の異状部位や、右心房、上大静脈など複数個所の焼灼が必要。治療時間は6時間程度。

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特別講演は小児学会専門医、多くの小児学会の委員に就かれてみえる、こども循環器クリニック・くの小児科 院長 久野 保夫先生に「小児心電図の基本と小児心疾患について」と題しまして講演していただきました。

まず、心電図の基本について説明していただきました。この中で、3つの基本(不整脈、負荷、虚血性の変化)の中でも負荷を中心とした理解が重要である。この点を考慮し、

小児心疾患患者を小児の時期から成人後まで継続して診察された多くの事例を詳細に説明していただきました。

また、川崎病(多くは4歳以下の乳幼児期に発症する全身の血管炎。原因不明)の心筋梗塞の経過観察の説明もしていただきました。

久野先生の川崎病に関するコメントは

「川崎病が1961年に発見されて以来30年が経過し、既に多くの患者が成人に達している。これまでの累計患者数は10万人を越えていると思われ、将来的にも循環器疾患の1つの分野を占める問題であると思われる。最近は断層心エコー検査機器や技術が進歩し、ガンマーグロブリン大量療法が普及し、以前よりも的確な検査、治療がなされているが、1970年代までは急性期の検査が不十分であったり、冠動脈障害についての認識が低かったことにより、その後の経過観察がなされなかったりで、多くの問題がある。このような観点より、10年以上経過した川崎病既往児をまとめ問題提起したい。」

久野先生、詳細な説明ありがとうございました。

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2009年12月26日 (土)

心臓リハビリ導入準備 「心臓リハビリテーション講演会」

岐阜ハートセンターでは心臓専門病院として心臓リハビリテーションを導入いたします。12月22日、その導入準備の一環として岐阜市民病院 循環器内科 櫻井智浩先生を招いて 心臓リハビリテーションの講演をして頂きました。

心臓リハビリテーションとは、医学的な評価、運動処方、冠危険因子の是正、教育及びカウンセリングからなる長期にわたる包括的なプログラムで、個々の患者様の心疾患に基づく身体的・精神的影響をできるだけ軽減し、突然死や再閉塞のリスクを是正し、症状を調整し、動脈硬化の過程を抑制あるいは逆転させ、心理社会的並びに職業的状況を改善することを目的とする。(米国医療政策研究局の臨床診療ガイドラインより)

心臓リハビリテーションをすると死亡率が20%~26%低下するデーターがあり、心臓疾患に対しては心臓リハビリテーションの効果が認められている。

当日は、岐阜ハートセンター職員のみならず、豊橋ハートセンターからの聴講者もあり、真剣に聞き入っていた。

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2009年10月16日 (金)

生活習慣病講演会「糖尿病・メタボリックシンドロームと糖質制限食」江部康二先生

平成21年10月10日 岐阜駅前じゅうろくプラザ5F大会議室にて生活習慣病講演会を開催いたしました。

演者は財団法人 高尾病院理事長の江部康二先生です。

江部康二先生は「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」等、現代病を治す糖質制限食に関して多くの著書を出されています。

循環器疾患をお持ちの患者様には糖尿病を患っている方も多く、これらの方々に、薬を最小限に抑えることができる糖質制限食を紹介したく、講演をお願いしたところ、快く、お引き受け頂き、今回の講演会を開催することができました。江部先生ありがとうございました。

会場も満員で、素晴らしいお話を聞くことができました。また、講演後も多くの質問が出、糖質制限食の関心の深さが伺われました。

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今回の講演でお話頂いた中で印象に残ったのは

食後の急激な高血糖が原因で血管内壁にダメージを与える。これを避けるために、糖質を制限するのが良い。

糖質を制限するには血糖に変化する速度が速い炭水化物を避けたほうが良い。

右下図がそのイメージ図です。

当院でも、糖質制限食の導入検討を始めることになりました。

さしあたって、12月2日の栄養教室で糖質制限食の紹介を行います。

岐阜ハートセンターの外来待合、ハートホール図書館に江部先生の書かれた本を置いてあります。

今回、講演会に参加できなかった方、詳細は江部先生の執筆されている本をご覧下さい。

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2009年9月29日 (火)

やっぱり大切なのは血糖値のコントロール!

第1回岐阜ハートカンファレンスを開催しました。

Photo 眼科の名医であられる恩田眼科クリニック院長 恩田鋭冶先生のお話を聞かせていただきました。

やはり糖尿病網膜症の進行には、何よりも血糖値のコントロールが大切とのことでした。

食後2時間値を180以下にすること。

ヘモグロビンA1Cを6.5以下にコントロールすること。

それと血圧の管理(150以下できれば130以下)

の3点を強調されました。

最新式のOCT装置(網膜のむくみが簡単に分かる)や素晴らしい技術の手術ビデオを見せてもらいました。

ありがとうございました。

一緒に参加して下さった内科・眼科の先生方もありがとうございました。

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