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2017年3月13日 (月)

栄養教室「今話題の流行は? ~話題の健康食品~」

本日の栄養教室のテーマは「今話題の流行は? ~話題の健康食品~」です。

みなさんは日頃、健康食品を利用されていますか?

では、質問です。
そもそも健康食品て何でしょうか?答えることができますか?
サプリメント?健康になれる食品?特定保健用食品?まずは、どういったものが健康食品であるのか、どんな分類があるのかを知っておくことが健康食品を利用する上での第一歩になります。
健康食品とは健康の保持増進に資する食品全般のことを示しています。明確な定義がないといった方が正しいかもしれません。
大きく分けると、
国が制度を創設して機能性表示などを許可をした食品とそうでない食品(いわゆる健康食品と呼ばれるもの)という事になります。
国が制度を創設して機能性表示を許可した食品としては
特定保健用食品、
栄養機能食品、
機能性表示食品というものがあります。
特保では整腸作用に関連する商品が、機能性表示食品ではシリーズサプリメントタイプの商品が最も市場規模が大きくなっているようです。
機能性表示食品は平成274月から新しく始まった制度で、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。ヒトで試験をされている商品以外にも研究レビューといった方法でその機能性の根拠を示しているものもあります。機能性表示食品についてはその機能性の根拠について消費者庁のHPにて確認をすることができますので、ぜひご覧になってください。
また、いわるゆ健康食品については、服用されているお薬との相互作用があるものが存在します。健康食品一般は「疾病のあるかた」を対象にしていないということを理解しておいてください。利用する際には医師などに相談をするようにしましょう。
身体の健康を保ちたい方は、まずは毎日の食事を整えることが基本です。食事バランスはどうでしょうか?好き嫌いは多くありませんか?嗜好品の摂取が多くなりすぎていないでしょうか?ご自分の食生活を見直してみる事から始めてみましょう。
今回はみなさんに11回は食べて頂きたい、魚の料理を紹介します。青魚の油がいいとはよく聞くと思います。でも青魚嫌いな方あるかもしれません。魚に含まれる体に良い油、EPADHAは鮭にも含まれています。今回はゴマを付けて香ばしく焼いたゴマ焼きにしました。
もうひとつは、手作りのドレッシングです。これも最近話題のえごま油を利用して作りました。えごま油に含まれるαーリノレン酸は、DHAEPAと同じn3系の不飽和脂肪酸で、積極的摂取が勧められています。酸化しやすい油なので、開封したら早めに使い、できるだけ加熱も控えましょう。
栄養教室の様子

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本日の試食

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2017年2月10日 (金)

栄養教室 『腸内フローラを整える食事』

今回の栄養教室は『腸内フローラを整える食事』についてお話しました。

みなさん腸内ケアを行っていますか? 腸は食べる物を消化するだけでなく、からだに良いものと悪いものを区別し、有害なものは排除するといった仕組みがあります。

腸内環境を整えることで、ダイエット効果や美肌効果、免疫力を高めたり、便秘や下痢の改善効果、花粉症の軽減効果などあります。

人の腸内には、多種多様な細菌が生息しており、小腸から大腸にかけて、様々な細菌が種類ごとにグループを形成してまとまっています。これらがお花畑にみえることから腸内フローラと呼ばれています。

腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3種類があり、それぞれ作用やからだへ与える影響が異なります。善玉菌は悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促すことによって、お腹の調子を整えます。悪玉菌は有害物質を生成し、腸内腐敗を促進させます。日和見菌は、腸内の善玉菌や悪玉菌の優勢な方に同調して作用します。それぞれの菌の割合は善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1で腸内に生息していることが望ましいと言われています。 腸内環境を整えるために、プロバイオティクス(善玉菌やそれらを含む食品)を摂るようにして下さい。ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌、納豆に含まれる納豆菌、漬物やキムチ、しば漬けなどに含まれるラクトバチルス・プランタラムなどがそれに該当します。そしてプロバイオティクスの働きを腸で助けるプレバイオティクスを摂るようにして下さい。

プレバイオティクスは、善玉菌のえさとなる食物繊維やオリゴ糖のことです。食物繊維は『水溶性食物繊維』と『不溶性食物繊維』に分かれ、水溶性2:不溶性1で摂ることが理想とされています。 水溶性は海藻やこんきゃくなど。不溶性は切干大根やきのこ、玄米などに含まれています。また水分補給、油などのビタミンE、玄米や豚肉などのビタミB1を意識して食べるようにしましょう。食事だけでなく、適度な運動や朝食をしっかり摂り、朝トイレに行く習慣を作ることも大切です。

本日の試食です♪豚肉のヨーグルト味噌漬け焼きです。豚肉には、自律神経を刺激し、腸の働きを調整するビタミンB1が多く含まれています。またヨーグルト・味噌には乳酸菌が含まれています。

是非自宅で作ってみてください。

Recipe 本日の試食

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栄養教室の様子

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2017年1月23日 (月)

栄養教室は、「今年こそ!!ダイエットを本気で考えよう!」

   今日の栄養教室は、「今年こそ!!ダイエットを本気で考えよう!」というテーマでお話させて頂きました。

    まず身長と体重からBMIを算出して頂きました。BMIは肥満や痩せを知る国際的な指標です。18.5~25未満は標準。25以上は肥満と判定されます。みなさんはどうですか?
肥満の医学雑誌に、BMI30以上の人では、死亡率のリスクが増えるデータも出でいますので、太り過ぎには注意して下さい。
   今回の栄養教室では、体重が増える癖をいくつかピックアップし、それに対しての改善点をお話させて頂きました。
まずダイエットを短期間で痩せようと思う方の癖です。そのような方は、運動や食事療法の目標が高く、挫折しやすいです。ダイエットを成功させるポイントは継続することです。短期間で痩せようと思わず、長い期間をかけて行えるような目標をたてるようにしましょう。
次に運動をしている方の癖です。運動をしているからと、少しぐらい甘い物食べてもいいと思い、ケーキやまんじゅうなど食べてしまう方がいます。ケーキは1個で336kcalあり、もし女性で体重50kgの方がそのカロリーを消費しようと思うと、約2時間歩かないといけません。みなさんが思っているより、運動の消費カロリーは少ないのです。運動しているからと間食や食事の摂り過ぎに注意して下さい。最後に無意識に食べている人の癖です。無意識に食べている人は、早食いの方が多く、食べる時間や内容は気にしません。食べる時間やよく噛んで食べること、食事バランスは痩せるためには重要なポイントです。食事は最低21時までに終わらせ、15~20分かけて食事をし、糖質や脂質などに偏らないようにしましょう。
  そして食事だけでなく、運動も取り入れて頂くと、基礎代謝量が増え、痩せやすく、リバウンドしにくい体を作ってくれるますので、体を動かす習慣を付けましょう。
 
今日のレシピです。「大豆ミートの唐揚げ」です♪今回は、鶏もも肉ではなく、乾燥の大豆粉ミートを使用しました。それにより、カロリーが-100kcal減です。ダイエットには強い味方です。
大豆ミートはイオンなどに売っていますので是非自宅で作ってみてください。

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栄養教室の様子

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本日の試食

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2016年12月16日 (金)

栄養教室 「運動と食事のタイミング」

本日の栄養教室は、「運動と食事のタイミング」というテーマでお話させていただきました。

①体脂肪や体重を減らしたい方、②筋肉をつけたい方と目的別に分けて、運動と食事のタイミングについて説明させていただきました。 

運動時に必要なエネルギーは、①血液中の糖分から作られるエネルギー、②体脂肪から作られるエネルギー、③筋肉から作られるエネルギー、という順番で作られます。

①   まず脂肪や体重を減らしたい方のダイエットは、食事の前の運動がおすすめです。食事前は体の糖分濃度が低いので、体の脂肪を燃焼してエネルギーを作り出します。また、食事をすると脂肪に栄養が蓄えられますが、運動をすると筋肉が疲れて栄養を筋肉に送る必要があるため、脂肪に蓄えられずらく、脂肪がつきにくくなります。ただし食事前の運動にはデメリットもあります。集中力や注意力が低下して運動中に思わぬ事故が起きたり、低血糖やめまいを起こしたりするリスクが考えられます。そのため運動前に、すぐにエネルギーになり、消化・吸収が早い少量の糖質を摂ってから運動を行うようにしましょう。運動するまでの時間が30分以内のときはバナナやゼリー状の補助食品が良いと思います。運動するまでの時間が30分~1時間のときは、具なしのおにぎり1個程度がおすすめです。また、運動後の体は消化・吸収が良くなっている状態なので、甘いお菓子類を食べると太りやすくなりますので、注意しましょう。

②   筋肉を付けたい方は、食事の後に運動がおすすめです。食事後の運動は運動の質が高くなり、筋肉が分解されにくいためです。ただしデメリットとして、消化不良を起こすことが考えられます。そのため食後1時間は休憩してから運動を行うようにしましょう。また、運動後30分は筋肉を付けるためのゴールデンタイムと呼ばれており、このときに筋肉の栄養の元となるタンパク質を摂ることがすすめられています。脂身の少ない肉や魚、牛乳、プロテインなどでタンパク質を摂ることを心がかけましょう。 

本日は今年最後の栄養教室でした。今年も岐阜ハートセンターの栄養教室に多くの方に参加していただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

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本日の試食

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2016年9月13日 (火)

栄養教室、「脱! メタボ」

H28.9.9、岐阜ハートセンターハートホールで栄養教室を開催いたしました。

今回の栄養教室では、「脱! メタボ」というテーマでお話させていただきました。 

「メタボ」と聞いて何をイメージされますか?メタボリックシンドローム症候群は、内臓脂肪型肥満とも言われていますが、ただ単にお腹が出ていたり太っていたりする人のことをいうのではなく、おへそまわりのサイズが男性は85cm以上、女性は90cm以上あり内臓脂肪が過剰に蓄積している状態+高血圧・高血糖・脂質異常症といった動脈硬化の危険因子を合わせもつ状態のことをいいます。 

メタボの状態を放置すると、過剰に蓄積した内臓脂肪から体にマイナスに働くアディポサイトカインという物質が過剰に放出されてしまいます。この物質には、高血糖を起こす物質、血栓を作りやすくする物質、高血圧を起こす物質などがあります。この状態を放置すると動脈硬化を引き起こし、さらには心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などを発症させてしまうリスクが高まります。 

脱メタボのためには、内臓脂肪を減らすことが重要です。食事療法では、糖質と脂質の摂りすぎに注意しましょう。外食でラーメン+チャーハンなど糖質どうしのメニューを頼んだり、ご飯、パン、麺などの炭水化物をたくさん食べる方は糖質の摂りすぎになってしまいますので、定食など野菜のおかずが含まれているメニューを選んだり、コンビニでもサラダをプラスするなど工夫しましょう。また、アルコールの飲み過ぎ、果物・お菓子類・ジュースの食べ過ぎは内臓脂肪を蓄積させてしまいますので、ほどほどに楽しみましょう。

積極的に食べていただきたい食品は、きのこ類や海草類、野菜などの食物繊維を多く含む食品です。食物繊維は血糖の上昇を抑える、脂質異常症を予防するなど脱メタボに効果が期待できる栄養素です。 

運動療法では、ウオーキングやラジオ体操などの有酸素運動が効果的です。1日20分から始め、運動する時間がない方は普段の生活の中で家事をてきぱきやったり、エレベーターより階段を使ったりすることも汗をかく程度に行えば十分な有酸素運動になります。できることから始めてみましょう。たばこを吸っている人はメタボになりやすいという報告がありますので、吸っている人は禁煙しましょう。

栄養教室の様子

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本日の試食

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2016年7月 6日 (水)

栄養教室『心不全の栄養管理』

今回の栄養教室は、『心不全の栄養管理』についてお話させて頂きました。

心臓はからだに十分な酸素と栄養がいきわたるよう血液を循環させるポンプの働きをしています。しかし心不全になりますと、ポンプの働きが弱くなり、全身へきれいな血液を上手に送れない状態となり、むくみや息切れ、身体がだるい、手足の冷感、咳・痰が出る、夜間頻尿などといった症状が出てきます。

食事療法では、塩分を制限することが重要です。

減塩のポイントは、薄味に慣れることが重要で、塩分計などを使用し、自宅の味付けが濃いのか薄いのか確認して頂くことをおすすめしています。また麺類を食べる回数が多く汁まで飲んでしまう方は1日に摂ってよい塩分量を超えてしまう恐れがあるので、汁は必ず残すようにしましょう。漬物や梅干し、佃煮、インスタント食品、干物などは塩分が多いので注意して下さい。レモン汁やゆず、すだちなどの酸味やにんにく・生姜・ハーブなどの香辛料を利用したり、だしパックを使用することは減塩につながります。

その他に、水分の摂り過ぎ(個人によって異なる)や食欲低下、過度な飲酒は心不全を悪化させる原因となるので、注意して下さい。

日常生活では、十分な睡眠と休養をとり、夏冷房の効き過ぎた部屋からそうではない所に出ると血圧が上昇するので、、外気との温度差が5度以上にならないように注意して下さい。また、内服や毎日体重測定を行うことを習慣づけて下さい。体重が3日で2kg以上増える場合は、水が溜まっている証拠となります。

栄養教室の様子

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豚肉の大葉味噌焼きのレシピです。大葉は香りがよく、味噌との相性も良いです。香味野菜を使用することも減塩療法の一つです。

Recipe

 今日の試食です♪

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2016年6月 9日 (木)

栄養教室『高血圧の食事療法について~塩分だけじゃない!?~』

今月の栄養教室は『高血圧の食事療法について~塩分だけじゃない!?~』というテーマでお話しさせて頂きました。

 日本には現在、約4000万人の高血圧患者さんがいます。高血圧は、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」と呼ばれているように、自覚症状はほとんどありません。

高血圧を防ぐには、減量、減塩、節酒、DASH食のすすめ、運動、禁煙が大事になります。体重管理では、内臓脂肪が多い人ほど血圧が高くなるので、お腹に脂肪がつく、りんご型肥満の方は注意して下さい。減塩も重要となります。漬物や汁物、加工食品(ハムやソーセージなど)、練り製品、インスタント食品などには塩分が多く含まれています。日本人には塩分を体内にため込みやすい体質の遺伝子(食塩感受性高血圧遺伝子)を持つ人がいますが、現在の検査では調べることはできません。遺伝子は変えられなくても、生活環境は変えることはできるので、塩分の過剰摂取には注意して下さい。

DASH食はアメリカで成果を上げている高血圧の人向けの食事療法です。カリウムやカルシウム、マグネシウム、食物繊維などの栄養素を摂ることで、相互作用により高血圧を防ぐと言われています。野菜や魚、大豆・大豆製品などを積極的に摂るようにして下さい。

血圧は、ご自宅で朝食前と就寝前にはかることをおすすめします。高血圧と診断されたら早期の段階で治療を始めるようにしましょう。

本日の試食です。いかマリネです。

Recipe

 

お酢を使用すると塩分が少量でもさっぱり頂けます。またいかに含まれる『タウリン』は血圧を下げる効果があると言われています。

是非自宅でも作ってみて下さい♪

栄養教室の様子

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本日の試食

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2016年5月12日 (木)

栄養教室「体の健康は口から~歯に良い食事~」

  今回の栄養教室は『体の健康は口から~歯に良い食事~』についてお話させて頂きました。
  みなさん8020という言葉聞いたことがありますか?8020とは1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば食べられる物の幅も広がり、生涯楽しく充実した食生活を送ることができます。
平成23年度の実態調査では、80歳になっても20本歯を保有している方は、全国で38.3%みえるようです。歯を失う原因の第1位は歯周病です。歯周病は歯の周りの骨が溶け、最終的には歯が抜けてしまう病気です。
そしてこの歯周病はサイレント・ディジーズ(静かなる病気)と呼ばれ、症状がないままに病状が進行してしまう病気でもあります。
痛みや歯の揺れが出て気づくころには重症になることも多く、動脈硬化のリスクを高める可能性があると言われています。
 食事では、甘いお菓子やジュース類などをだらだらと食べたり、飲んだりすることは控えて下さい。菓子類には多くの糖が含まれており、そこから産生される酸は歯を溶かします。また口の中に残っていた糖から歯垢を作り出します。
やわらかい食べ物を好んで食べる方もみえますが、そのような食品ばかり食べていますと、あまり噛まずに食べられるので、噛み合わせが悪くなったり、歯と歯の周りへの刺激が減って歯周病の原因となります。よく噛むことで、肥満予防や脳の活性化、唾液の分泌を促進してくれます。唾液は口の健康では欠かせません。食べかすを洗い流したり、細菌に抵抗したり、口の中の乾燥を防いだり、口の中を酸性から中性に変え、歯のエナメル質を修復してくれます。唾液を出すには、運動習慣を作ることや酸味のあるものを食べて刺激すること、禁煙を行うことも大切になります。そして歯に大切な栄養素を摂ることも大事です。カルシウムやビタミンA・D・Cです。牛乳や乳製品、魚、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、果物を食べて頂くと良いと思います。
 食事だけでなく、セルフケアも大切です。歯垢は食後8時間で作られます。食後のはみがきに加え、1日1回寝る前は時間をかけて1本1本丁寧に磨き、デンタルフロスなどを利用しましょう。
 
今日の試食です。
高野豆腐と干しえびの煮物です。
干しえびはカルシウムやビタミンDが多く含まれています。高野豆腐は、噛まなくても食べられますが、干しえびを入れることによりよく噛んで食べることができるので、唾液の分泌が促進されます。是非自宅で作ってみて下さい♪

Recipe 栄養教室の様子

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本日の試食

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2016年4月 7日 (木)

栄養教室「糖尿病の食事療法~ゆるやかな糖質制限食~」

今回の栄養教室は「糖尿病の食事療法~ゆるやかな糖質制限食~」についてお話させて頂きました。

 現在、世界の糖尿病患者数は2億3000万人以上と言われています。これは成人全人口の6%です。
今後20年間に3億5000万人に増えると予測されており、糖尿病の増加を食い止めるためにも日々の食事や運動療法が大切となります。
 当院では、数年前から糖尿病患者さんに対して糖質制限食という食事療法を導入しています。
糖質制限食とは、ご飯やパン、麺などの糖質の多い食品を控え、食後の血糖上昇を防ぐ食事療法のことで、肥満、中性脂肪の高い患者さんにもおすすめしています。重症度に合わせて、糖質が多い食品の控える量を調整していますので、カロリーコントロール食より取り組みやすいという意見が聞かれます。糖質の多い食品は、菓子類やジュース類、ご飯や麺類などの主食、芋類や果物、とうもろこしや砂糖などがあります。菓子類やジュース類は血糖値以外にも、中性脂肪やコレステロールが上がりやすいので、特に控えてほしい食品となります。
ご飯やパン、麺類などの主食はほぼ毎食食べるので、現在より量を減らすことで血糖コントロールが良くなります。主食を減らしているのに血糖値が下がらない人は、芋類や小豆、アルコール、菓子類、果物などが摂り過ぎていないか確認する必要があります。外食時には、味噌煮込みうどんやカレーライスや丼物、お寿司などは糖質がたくさん入っていますので、注意して下さい。
 糖質制限食は、腎臓が悪い方や肝硬変の方は蛋白質制限が必要となり、膵炎の方は脂質制限が必要となるので、蛋白質や脂質を多く摂ることになる糖質制限には注意が必要です。また経口血糖降下剤を内服されている方やインスリン注射を打っている方も低血糖を起こす可能性がありますので、糖質制限食を行う際は、担当医師や当院の栄養士に相談して下さい。現在の食生活からご飯やパンなしで長期に食事療法を続けることは難しいと思います。
全く糖質をなくすのではなく、糖質の多い食品を少し減らし、その分植物性脂質や鶏肉、魚などの動物性脂質をバランスよく摂って頂き、無理なく食事療法を続けていくことをおすすめします。
 
本日の試食の「イタリアンサラダ」を紹介します♪
ドレッシングに甘味を使用すると酢の酸っぱさが消え、まろやかな味わいになります。
今回は、砂糖の変わりに糖アルコールの「エリスリトール」が主成分のラカントSという
天然の甘味料を使用しました。砂糖と同じ甘さで、加熱しても甘さは変わりません。
砂糖の糖類が気になっている方は是非使用してみて下さい。
 
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栄養教室の様子

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試食

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2016年3月11日 (金)

栄養教室 『腸内環境を整える食事』

今回の栄養教室は『腸内環境を整える食事』についてお話しました。

 みなさん腸内ケアを行っていますか?腸は食べる物を消化するだけでなく、からだに良いものと悪いものを区別し、有害なものは排除するといった仕組みがあります。腸内環境を整えることで、ダイエット効果や美肌効果、免疫力を高めたり、便秘や下痢の改善効果、花粉症の軽減効果などあります。
 人の腸内には、多種多様な細菌が生息しており、小腸から大腸にかけて、様々な細菌が種類ごとにグループを形成してまとまっています。腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3種類があり、それぞれ作用やからだへ与える影響が異なります。善玉菌は悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促すことによって、お腹の調子を整えます。悪玉菌は有害物質を生成し、腸内腐敗を促進させます。
日和見菌は、腸内の善玉菌や悪玉菌の優勢な方に同調して作用します。それぞれの菌の割合は善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1で腸内に生息していることが望ましいと言われています。 
 腸内環境を整えるために、プロバイオティクス(善玉菌やそれらを含む食品)を摂るようにして下さい。ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌、納豆に含まれる納豆菌、漬物やキムチ、しば漬けなどに含まれるラクトバチルス・プランタラムなどがそれに該当します。
そしてプロバイオティクスの働きを腸で助けるプレバイオティクスを摂るようにして下さい。プレバイオティクスは、善玉菌のえさとなる食物繊維やオリゴ糖のことです。食物繊維は『水溶性食物繊維』と『不溶性食物繊維』に分かれ、水溶性2:不溶性1で摂ることが理想とされています。
水溶性は海藻やこんきゃくなど。不溶性は切干大根やきのこ、玄米などに含まれています。また水分補給、油などのビタミンE、玄米や豚肉などのビタミB1を意識して食べるようにしましょう。
 食事だけでなく、適度な運動や朝食をしっかり摂り、朝トイレに行く習慣を作ることも大切です。
 
  今回の試食は『炊き込み玄米チャーハン』です♪
 玄米は不溶性食物繊維が多いです。植物性乳酸菌の納豆や少量の漬物などと合わせて食べて頂くと効果がアップします。
玄米の栄養成分フィチン酸は、カルシウムやリンなどのミネラルの吸収を防いでしまう効果があるので、1日1~2食を目安に食べて頂くと良いでしょう。
腸によい食品を毎日継続して食べて下さいね。
 
献立『炊き込み玄米チャーハン』

Recipe 栄養教室の様子

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