本日は高血圧の食事療法としてお話をさせて頂きました。
一般的に高血圧とは140/90を超えている場合に言われます。ご家庭で測定した場合はこれよりマイナス5した値です。
高血圧は循環器疾患最大の危険因子といわれており、全身の動脈硬化や心臓・腎臓への障害を起こして、最終的には命に係わる事態につながる可能性があります。
塩分=ナトリウムのとり過ぎは血液の塩分濃度を高めるように働きますが、ヒトのからだはそれを防ぐために、細胞の中の水分を血液に移行させて、血液の塩分濃度が上がらないようします。すると、血液の量が増えます。血液の量が多ければ多いほど血管の壁には強い力がかかり、血圧が高くなってしまいます。また、食塩に含まれるナトリウムは血管を収縮させるホルモンの反応を高めることで血圧を高くします。こういった理由で高血圧の予防・治療には、減塩が第一です。
減塩をすると血圧が下がることは、研究結果(DASH-Sodium研究)から証明されています。塩分を1g減らすと血圧は1mmHg下がると言われており、とても小さな変化に思えますが10gの食塩を摂っている日本人が6gまで減らすことができれば、日本人全体としては病気の発症の予防に大きな効果があります。
「私は血圧の薬を飲んでいるから減塩しなくても大丈夫」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は薬を飲んでいる人でも減塩をしているかしていないかで血圧コントロールに差がでます。血圧の薬の半分くらいは食塩が多いと効果がやや弱く、食塩を制限するとよく効くことがわかっています。治療中の方もやはり減塩が大事ということになります。
減塩のポイントをいくつかご紹介します。参考にしてください。
まずは調味料編。辛みが強いものは塩分が少ないと思われるかたもいるかもしれませんが、種類によっては塩分も多い調味料があります。勘違いしやすいものをまとめてみました。
塩味を感じない食品にも食塩は含まれていたりります。
特にパンは注意が必要です。また今は流行の魚の缶詰も注意が必要です。
調理で気を付けると良いポイントは、まず減塩調味料は少しずつ使うようにしましょう。普段使っている調味料と半分ずつで使うのも方法です。そして、塩分0の調味料がありますのでそれらを使って味を補います。香りつけにこしょうや青じそなど、辛みにとうがらしや山椒、酸味はレモンや酢、こくをだすのに油類を使うと良いと思います。
食べ方で気を付けると良いポイントは、まず汁物は「薄味が良いから」とお湯で薄めるのでは減塩の効果はありません。濃度はそのままでも良いので、盛り付ける量を減らすようにしましょう。そして、高塩分の食品や料理は食べるのをやめるのではなく回数を減らすことです。好きなものを我慢するのはとても大変なことですので、長続きする方法を実行していきましょう。
今回の試食は和風水だしを使用した牛肉とごぼうの煮物と食塩0の調味料である粉山椒を使ったピーマンとしらすの炒めものです。