栄養教室「腎臓病の食事療法」
今回の栄養教室は「腎臓病の食事療法」というテーマでお話しをさせていただきました。
腎臓は、老廃物を外に出したり、体内の水分量やミネラルの量を調節したりと、とても重要なはたらきをしています。
腎臓病の定義としては
1.尿たんぱくや血液、腎臓病を疑う所見
2.糸球体ろ過量(GFR:腎臓の働きを表す単位)が60ml/分(正常100ml/分)
1または2のいずれか、あるいは両方が3か月以上持続する状態となっています。
病院で腎臓病を指摘されたときは、生活習慣の見直しが必要です。
1.薬物療法 → 薬は飲み忘れることなく飲みましょう。
2.食事療法 → 食生活を見直しましょう。
3.血圧コントロール → 薬、減塩、軽い運動が大切です。
4.生活上の注意 → 過労やストレスを避け無理のない生活をしましょう。禁煙、節酒も大切です。
食事療法で大切なのは以下の3点です。
1.たんぱく質の量と質に注意する。
たんぱく質を摂り過ぎると腎臓に負担をかけます。特に、ごはんやパン、麺類などの植物性の食品に含まれるたんぱく質は、あまり質がよくないです。低たんぱくごはんや低タンパクのパンなどを利用することもおすすめです。
2.塩分を控える。
塩分を摂り過ぎると、血圧が上がります。高血圧は腎臓にも心臓にも負担をかけます。むくみが出たりすることもあります。薄味を心がけ、塩分を多く含む梅干しや漬物などは控えるようにしましょう。
今回の栄養教室では、お試しで減塩しょうゆをお配りしました。市販でも減塩しょうゆや減塩みそなどは売られているので、そういった商品を利用すると良いでしょう。栄養成分表示なども見る習慣をつけ、塩分の多く含んでいるものは控えるようにしましょう。
3.エネルギーをしっかり摂る。
エネルギーをしっかり摂らないと、体のたんぱくが壊され老廃物が増えます。バターやオリーブオイルなどを上手に利用し、タンパク質を減らした分、油でエネルギーをしっかりと摂るようにしましょう。
無理をしたり、睡眠が不足したりすると病気が進行してしまうことがあります。
ご自分の病気をしっかりと理解し、食事や運動、生活全体を見直すことが大切です。
栄養教室の様子
本日の試食♪
夏野菜の肉巻き
ズッキーニやパプリカなど夏野菜を使ったメニューです。野菜を肉で巻くことで、少ない肉の量でも満足感が得られます。バターを使うことで風味がよく、減塩しょうゆでもおいしく食べることができます。
春雨の中華風サラダ
春雨はたんぱく質を含まないでんぷん食品です。ごま油の香りで薄味でもおいしく食べられます。酢を入れることで、さっぱりとして食べやすくなります。こちらのメニューも減塩しょうゆを使って提供しましたが、試食をされた参加者からは「減塩しょうゆでもおいしかった」と満足していただきました。
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