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2009年8月

2009年8月22日 (土)

第1回ハートの日 in Gifu (7)食品でメタボ予防

Dr_nagaoka 「食品でメタボ予防」

岐阜大学 応用生物科学部 長岡 利教授

世界で死因の一番は心臓血管疾患(心臓・脳)で29.3%(2002年)を占めている。その原因が高コレステロール。コレステロールが高いと血管が詰まる。脳で詰まると脳血栓、心臓で詰まると狭心症となる。

コレステロールにも動脈硬化を防ぐ善玉コレステロール(HDL)と動脈硬化を促進させる悪玉コレステロール(LDL)がある。

長岡教授は一貫してメタボリックシンドロームと関連するコレステロール・脂質代謝に関連する研究に従事され、この研究成果が関連学会で高く評価され、多くの受賞を受けられています。今回の講演は、研究されている成果のエッセンスをお話いただきました。

1日25g(豆腐3丁相当)の大豆タンパク質を摂取すれば内臓脂肪を減らすことができる!!

米国食品薬品局(FDA)は1999年に1日25gの大豆タンパク質の摂取はコレステロールを5~10%低下でき、虚血性心疾患の予防効果があることを認めている。

”十六ささげ”も血清コレステロールを減少させる。”十六ささげ”でメタボ予防ができる。

心臓血管疾患リスク低減表示許可が出ている食品として、食物繊維 20g~25g/day相当の「コレステミン」、大豆タンパク質 25g/day 相当の「コレステブロック」等を紹介して頂きました。

2009年8月19日 (水)

第1回ハートの日 in Gifu (6)市民と救急隊との連携

Ambulance_2 岐阜市消防本部の救急課の宇野様、井上様に「市民と救急隊との連携」についてご講演をしていただきました。講演の要旨は

1.救急車を呼ぶ時の注意事項

2.現場に居合わせた人の適切な応急処置(AEDなど)

3.早い救命医療を行なうため、救急車の適正利用をお願いします。

①早い119番通報 ②早い応急手当 ③早い救急(救命)処置 ④早い救命医療

この連携が大切です。対応が早ければ早いほど救命できます。

岐阜市の救急車が現場に到着する時間は5分で全国平均7分より早い。

病気や怪我で救急車以外搬送手段が無い場合は救急車を呼んでください。

最近では状況により、PA連携が行なわれます:消防車(Pumper)と救急車(Ambulance)が同時に出動。

岐阜県では「みんなのQQ=市内局番3799」に電話すると、状況に応じた病院を紹介してくれます。

お忙しい中、AED講習と共にご講演ありがとうございました。

第1回ハートの日 in Gifu (3)救急蘇生法講習会

Aed66 救急蘇生法講習会(AEDの使い方)も同時に開催されました。

岐阜市消防本部救急隊の皆様及び岐阜ハートセンター職員のの懇切丁寧なマンツーマン指導の下、80名以上の方が講習をうけられました。

2009年8月14日 (金)

第1回ハートの日 in Gifu (2)パイプオルガンの調べ

Photo 第1部:今村初子先生の“パイプオルガンの調べ”でした。パイプオルガンの今村先生のパイプオルガンの音色は我々の心に深く染み入る素晴らしい演奏でありました。演奏頂いた曲目は

1.トッカータ(トッカータ、アダージョとフーガより)

2.カノン

3.グランドマーチ(歌劇「アイーダ」より)

2

2009年8月12日 (水)

第1回ハートの日 in Gifu  (1)サマランカホール

Photo_3 たくさんの御参加ありがとうございました。

“心臓にいいこと考えよう - 第1回ハートの日 in Gifu” が開催されました。

雨の中にも拘らず、お越しいただき、本当にありがとうございました。

8月10日月曜日にハートの日が県民ふれあい会館サラマンカホールで開催されました。当日はあいにく台風が近づき、雨が降る中440名の多くの方に御参加いただきました。ハートの日は4部構成からなるサラマンカホールで行われる演奏会と講演会、そしてホール前のホワイエで行われる健康相談、栄養相談、そして救命救急講習(心臓マッサージの仕方やAEDを実際に使用する)で構成されました。

ハートの日の紹介記事。

Heart_in_gifu_4 

ハートの日が8月11日の中日新聞に掲載されました。

2009年8月11日 (火)

9月2日 第4回栄養教室開催案内。

090902 9月2日(水)、当院 1F ハートホールにて、栄養教室「高血圧症の食事と予防」を開催いたします。
参加は無料です。奮ってご参加下さい。

2009年8月 7日 (金)

心房・心室中隔ぺーシング

Photo_5 当院ではペースメーカー植え込み時に心房中隔ぺーシング・心室中隔ぺーシングを積極的に行っています。これにより心房細動発生や心不全の発症の予防が期待できます。   

2009年8月 6日 (木)

栄養教室(第3回)開催

Nutrition2_2 第3回栄養教室が開催されました。

今回は「糖尿病の食事と予防について説明を行いました。

糖尿病治療の基本は1.食事、2.運動、3.薬

この中から食事を中心に説明いたしました。

食事療法のポイントは

1.体重の管理をしっかりする。2.糖質を多く含む食品に注意する。3.食後高血糖をいかに抑えるか。4.決まった時間に食事をする。5.ゆっくり良く噛んで食べる。

これらのポイントを説明いたしました。

  

Nutrition 本日の試食は

・玄米ご飯(247.5kcal)

・ゴーヤーチャンプルー(188kcal,0.8g)

・枝豆とトマトのみぞれ和え(49.4kcal,0.5g)

・キウイフルーツ(53kcal)

参加された方から、美味しいとお褒めの言葉がありました。

2009年8月 5日 (水)

CT検査その2 ステント再狭窄の判定にCTはいかがですか?

ステント再狭窄とは? 

ステントが植え込まれた直後は金属がむき出しなので血液がステントに反応して急速に血栓閉塞する危険性があります(図)。その予防のために血液が凝固しにくいようにお薬を飲む必要があります。ではずっと飲み続けなければならないかというと、Sat 人体はうまくできていてこのステントの上を覆うように新しい内膜を作ってくれるのです。これを新生内膜の増殖と呼びます。これは冠動脈の拡張に際して血管にどうしても傷がつくのでそれに対する正常な治癒反応なのです。従来のステント(ベアメタルステント いわゆる薬物溶出ステントではない)では、ステント植え込みから2週間から1か月で、ステントの大部分が被覆されます。ステントがこの新生内膜で覆われる1か月を過ぎるともうほとんど血栓閉塞は起こらないので強力な抗凝固薬は必要なくなります。

 Photo_2 ただ、この増殖反応が強すぎて新生内膜が張りすぎるとステントの内腔が狭くなってしまうのです。けがした場合に、きれいに治る傷とケロイドのように少し盛り上がって治る傷があるのと同様です。この新生内膜の張りすぎた状態を再狭窄と呼びます(図)。

なぜステント再狭窄を確認する必要があるの?

従来のベアメタルステントを入れた場合はこのステント再狭窄は6か月頃が最も起こりやすく、その後はほとんど起きなくなります。したがって6ヶ月後が大丈夫ならずっと経過が良いことが分かっていますので、その後はお薬を減量したりすることができます。再狭窄が起きているのに、きちんと確認せずに薬を減量したり中止したりすると、狭くなっているために血流が悪くなり血栓ができる可能性があり危険です。

ステント再狭窄はCTで分かるのか?

この患者様は左図の黄色線の部分にステントが入っているのですが、このままでは、ステントの中に十分な血流があるのかどうか分かりません。

Ct1_2 Ct2_2 これをさらに詳しく検討したのが右図です。血管に沿って点線のように見えるのがステントです。ステントの内側に黒く見えるのがステントの中にあらたに増殖した新生内膜です。図のE、F、Gではステントの内側が黒く見えている新生内膜できれいに被覆されている様子が分かりますね。逆にH,Iでは、ほぼ完全にステント内腔新生内膜で狭くなっている(再狭窄をきたしている)のが良く分かると思います。当院の放射線部ではステントの種類ごとに最適化した条件で画像を作りステント再狭窄の診断をCTで可能にしています。