第3回岐阜ハートセンター医療連携懇話会 腰痛と閉塞性動脈硬化症
岐阜ハートセンターでは病院と診療所の合同勉強会を開催しています。
第3回は、歩行時の足の痛みについてです。
この症状は整形外科領域とオーバーラップする領域ですが、年のせいだとか腰のせいになったままで意外と見逃されているのが”閉塞性動脈性硬化症”という病気です。
治療法は確立していますが、治療には高度な技術を必要とすることが多く経験十分にある循環器科医・心臓血管外科医にかかる必要があります。
よそで手術しかないと言われて、当院にいらした患者さまでカテーテルでわずか15分で治療に成功した例もあります。
逆にある病院で手術を勧められて当院に紹介してくださったのですが、ご本人は手術を怖がられていました。そこで循環器・心臓血管外科医の合同カンファレンスでカテーテル治療よりも手術のほうがベストと判断してその結果を患者さまにお話ししたところ納得され安心して手術をお受けになりました。とても経過がよく1週間で退院された例もあります。
他領域でもそうでしょうが循環器領域の治療では、カテーテル治療にしても手術療法にしてもきわめて高度な技術が必要になります。外科医・内科医の双方がどこにも負けない技術をもって治療法を話し合わなければイビツな治療が行われることになります。カテーテルで十分に治療できるのに、”自分”ではできないから手術をしなさいというのはあまりにもおかしいと思いませんか?切らなくていいのに切らせるというのは冷たいと感じるのは私たちだけでしょうか?
カテーテルでも治せる・手術でも最高の結果を出せる。でも総合的に患者さまの生活環境やライフスタイルそしてリスクを十分に考慮すると、この患者様ではカテーテルがいいんだとか、手術がいいんだとか決めていくのが真の”患者さまのための医療であると思います。
私たちは定期的に今回のような勉強会を開催して、私どもの治療内容を御紹介医の皆様に公開して、得られたご意見ご批判を今後の治療に生かしていければと考えております。
今回は医療関係者向けの会ですが、今後は一般向けの勉強会も開催していく予定です。