第2回 岐阜ハートカンファランス こども循環器クリニック・くの小児科 院長 久野保夫 先生 & 当院 土屋邦彦 先生
第2回 岐阜ハートカンファランスが平成22年2月10日 病診連携の一環として、岐阜ハートセンターで開催されました。近隣の病院、診療所の10名の先生方をはじめといたしまして、当院の医師、看護師、コメディカルも多数参加し、有意義な時間を持つことができました。
今回は、ミニレクチャーとして岐阜ハートセンター 循環器内科部長 土屋邦彦 先生に「心房細動のアブレーション」と題しまして講演していただきました。
発作性心房細動は心電図上で短い連結器の心房性期外収縮により開始する。この心房性期外収縮の約90%は肺動脈由来であることから、左心房と肺静脈を電気的に隔離することで治療可能。治療時間は4時間程度。
慢性、持続性心房細動は単純な肺静脈隔離だけでなく左心房の異状部位や、右心房、上大静脈など複数個所の焼灼が必要。治療時間は6時間程度。
特別講演は小児学会専門医、多くの小児学会の委員に就かれてみえる、こども循環器クリニック・くの小児科 院長 久野 保夫先生に「小児心電図の基本と小児心疾患について」と題しまして講演していただきました。
まず、心電図の基本について説明していただきました。この中で、3つの基本(不整脈、負荷、虚血性の変化)の中でも負荷を中心とした理解が重要である。この点を考慮し、
小児心疾患患者を小児の時期から成人後まで継続して診察された多くの事例を詳細に説明していただきました。
また、川崎病(多くは4歳以下の乳幼児期に発症する全身の血管炎。原因不明)の心筋梗塞の経過観察の説明もしていただきました。
久野先生の川崎病に関するコメントは
「川崎病が1961年に発見されて以来30年が経過し、既に多くの患者が成人に達している。これまでの累計患者数は10万人を越えていると思われ、将来的にも循環器疾患の1つの分野を占める問題であると思われる。最近は断層心エコー検査機器や技術が進歩し、ガンマーグロブリン大量療法が普及し、以前よりも的確な検査、治療がなされているが、1970年代までは急性期の検査が不十分であったり、冠動脈障害についての認識が低かったことにより、その後の経過観察がなされなかったりで、多くの問題がある。このような観点より、10年以上経過した川崎病既往児をまとめ問題提起したい。」
久野先生、詳細な説明ありがとうございました。