« GHC糖尿病勉強会 | メイン | 栄養教室 『腸内環境を整える食事』 »

2018年11月12日 (月)

栄養教室「低栄養を予防する食事~やせすぎ注意~」

今回は低栄養を予防する食事としてお話をさせて頂きました。

Lecture_6314

では低栄養とはどのような状態のことを言うのでしょうか?それは、食欲低下、食事が食べにくいことで徐々に食事量が減り、身体を動かすために必要な「エネルギー」、筋肉・皮膚・内臓などをつくる「たんぱく質」が不足する、このような状態を低栄養といいます。

特に65歳以上の高齢者の女性における低栄養傾向の者の割合は、この10年間で有意に増加していると言われています。

低栄養は、食事量が減少することから始まります。食事量が減少する原因として、高齢夫婦世帯や独居世帯によって、毎食の食事作りが大変、1人だから簡単に済ませる、経済的な問題でお肉、お魚、野菜などを買わないといった傾向があること、味覚や嗅覚の低下噛むこと、飲み込む機能が低下する腸の働きが低下して便秘になったり、空腹感が起きにくくなったりすることがあります。そうなると、体力がなくなり、活動量が減り、さらに食欲がなくなって食事量が減るといった悪循環に陥ります。

低栄養状態になると次のようなことが体におこります。

  1. 筋肉量が減る、筋力が落ちる
  2. 骨がもろくなる
  3. 細菌やウイルスへの抵抗量が低下する
  4. 体力が低下する
  5. 認知症の発症に影響する

低栄養と判断する基準は次のような項目があります。みなさんは大丈夫でしょうか?

【身体計測】

・体重が6か月間で2-3kg減った。または、1~6ヶ月間の体重減少率が3%以上

・BMI18.5未満

【血液検査】

・アルブミン3.5g/dl未満

・総コレステロール 150mg/dl未満

・ヘモグロビン 男性12.7g/dl 女性11.6g/dl以下

このような低栄養を予防するには、食事ではどのようなことに気を付ければ良いでしょうか?ポイントを5つ挙げてみました。

  1. 1日3食食べること。
  2. 肉魚卵豆腐といったたんぱく質食品を1食に1品は食べること。
  3. 野菜や果物は1日に2品以上は食べること。
  4. 作ることがめんどうな時には、宅配食、半調理品や市販の調味の素も使用してみる。
  5. 栄養補助食品を利用してみる。

 

食事は1食でも抜くと、残りの食事だけで必要な栄養を取ることは難しくなります。分けて食べることは栄養を必要量摂るうえでも大切なことです。たんぱく質食品は1食に1品を食べるようにすると必要量が摂りやすくなります。また、野菜を食べるようにしてください。食物繊維やビタミン、ミネラルを摂ることができます。市販されている調味料の素も塩分が多すぎず使いやすものがあります。カット野菜や温めるだけで食べられるレトルト食品も利用できるものがあります。今はドラッグストアがたくさんありますので、そういったところには栄養補助食品が売られています。食欲がないときにはそういったものを使うのも方法です。また、献立に一工夫することでエネルギーやたんぱく質も増やすことが可能です。

Page_09

たんぱく質という栄養は低栄養を予防するうえで大切な栄養素です。必要量については国から基準が示されています。

Page_10

Page_11

今回のお話の注意点は腎臓病、肝臓病などでたんぱく質をたくさんとってはいけない病気がある方については、今回のたんぱく質の量は当てはまらないということです。そういった病気をお持ちの方は必ず医師や管理栄養士に指示された量を守ってください。

Page_13

Page_14